さくら学院への手紙 ~拝啓 20年度の父兄へ~

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 2020年9月1日、ちょうど一年後の2021年8月31日付で成長期限定ユニット・さくら学院が閉校【活動終了】することが発表されました。告知から実際の終了まで一年の猶予があるのはきわめて異例で(同規模のグループなら私見では2か月~半年程度が普通)、これまで年間サイクルで生徒【メンバー】の成長をうながしてきた、リアルの学校以上に学校らしいアイドルグループとしての意地と誇りをそこに見ました。

 

父兄【さくら学院のファン】としてはまことに残念ですが、情勢をかんがみると、この決定がくつがえることはおそらくないでしょう。あと一年、与えられたこの一年をどう活用するかは、父兄ひとりひとりが考えるほかありません。自分も考えました。2015年度で推しが卒業して以来、いわゆる箱推しとしてゆるーく見守ってきた自分にできることはなんだろうかと。

 

さくら学院というアイドルグループの特殊な立ち位置はあちこちで語られていますが、特典会に類するものがほぼ皆無なこともそのひとつです。そのため、父兄から生徒へメッセージを送る手段は、学院日誌【ブログ】へのコメント、FRESHマンデー【ネット番組】へのメール、そして手紙――大別するとこの3つにかぎられます。

 

このうち、最も手間がかかるけれど最も確実に読まれるのが、最後の手紙=ファンレターです。さくら学院の生徒も、ことあるごとに手紙へのお礼を述べていますね。それが社交辞令ではないのは、じかに見聞きしている皆さんならよくご存じでしょう。

 

ただ、ファンレターというのは、書いたことのない人にとってそれなりにハードルが高いものです。出してはみたいが尻込みしている父兄も少なからずいるでしょう。だから、この記事で「自分はこんなことに気をつけて手紙を書いていた」という話をすることで、ささやかな手助けができないかと考えました。

 

もちろん、これはあくまで自分なりのやり方なので、参考にするもしないもご自由にどうぞ。「なんだ、意外と簡単じゃん」と思って、気楽にペンをとってもらえれば、それで目的は果たされます。

 

1.日時や事柄をはっきりさせる

ファンレターが通常の郵便物と異なる点は、意中の相手に渡るまでタイムラグがあることです。さくら学院の場合は各イベント会場のプレゼントボックスorチアリングハウス(所属事務所・アミューズ共通のファンレター送付先)→職員室【運営スタッフ】→生徒というルートをたどりますが(生徒の前にご家族がはいる可能性もあり)、観客を入れてのイベント予定がない現状では、チアリングハウスに送るのが唯一の手段です。

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ここで注意したいのが、チアリングハウスから生徒に届くまでの時間は一定ではないことです。タイミングによるので、早ければ二三日後のこともありますし、遅ければ1か月以上あとになることもありえます。遅くなった場合、例えば「この前のライブ、最後の曲がすごくよかった」と書いてあるだけでは、「この前っていつ?」となりますよね。だから「2019年度卒業式のラストに歌った『夢に向かって』がすごくよかった」などと、文中で触れたできごとの日時や事柄をはっきりさせることを心がけていました。

 

2.ダメ出しはしない

ダメ出しは職員室の領分なので、父兄がわざわざする必要はありません。そもそも99%の父兄(自分調べ)より、生徒のことに関しては職員室のほうが詳しいです。ステージパフォーマンスに関していえば、どこが良くなかったかいちばんわかっているのは、生徒自身です。父兄がダメ出ししても、的はずれになる可能性が高い。先ほど書いたようにタイムラグもあります。あえて嫌われ者になる道は選ばず、じゃんじゃん良かった点だけを褒めるようにしていました。

 

3.褒めるときは具体的に

逆に褒めるときはどんどん推しを褒めましょう。褒めることこそが父兄の領分です。調子が出てくれば、褒め言葉だけで余裕で枚数が埋まります。その際には「かわいかった」「歌がうまくなった」だけでももちろんいいのですが、より具体的に、ピンポイントで指摘すると、あるいは生徒自身も気がついていなかった長所を発見するきっかけになるかもしれません。いくらでもあるでしょ? どうしても言いたい、細かすぎて伝わらない推しのいいところ。自分もそれを書きました。

 

4.漢字づかいは相手に合わせて

さくら学院は小学生・中学生だけで構成されるグループですので、ファンレターにあまり難しい表現や漢字を多用すると内容を理解してもらえないおそれがあります。相手が読めなさそうな漢字はひらがなにしたり、あるいはフリガナを振りましょう。とはいえ、いちいち常用漢字表を参照するのは手間でしょうから、感覚で判断すれば充分です。ヒントになるのは出す相手の学院日誌で、自分は読んでいるうちになんとなく見えた、この漢字はOKでこれはダメかな……という基準に従っていました。

 

5.「きれいな字」よりも「丁寧な字」で

ファンレターを書く際に大きな心理的ハードルとなるのが「自分は字が汚いから(出せない)」という思い込みではないでしょうか。大丈夫、大事なのは手紙の内容で、字は読めさえすればいいのです。それにどうせ85%の父兄(自分調べ)より、さくら学院の生徒のほうが字はきれいです。最初はまずパソコンやスマホで下書きを作成してから、それを清書するやり方をおすすめします。ゆっくり丁寧に書いた字であれば、読めないということはないはずです。それでもどうしても自分の字が気になる人は、手書きをやめてプリントアウトでもかまわないと思いますよ。

 

6.コピーを取っておく

ファンレターは推しだけでなく、自分に出す手紙でもあります。だからコピーを取っておくと、のちのち読み返したくなったときに便利です。経験からいうと、送ったファンレターを読み返したくなるときはいずれ必ず訪れます。封をする前に文面を撮影するのもありですし、先に下書きをして清書するやり方を紹介しましたが、この下書きをそのままデータ保存するのもひとつの方法ですね。

ちなみに手紙と一緒にプレゼントを贈る場合も、同様に記録に残しておけば同じものを二回贈ってしまうなどの失敗を回避することができます。

 

7.手紙の効用

これは余談になりますが、ファンレターを出すことには思わぬ副作用もありました。まず応援のガチ度が増す。手間ひまかけることで推しへの想いが増幅します。さらには学院日誌の尊さが増す。自らも手で書いてみることで、手書き日誌のクオリティの高さと生徒のかけた労力を身をもって実感できます。そして更新が少ないのもある程度は許容できるように。

 

……こんなところかな? くり返しになりますが、これはあくまで「自分はこうしていた」という話であって、このとおりを強制するものではありません。便箋、封筒、デコレーション……凝ろうと思えばいくらでも凝れます。自由に思いの丈を書いて、あなたの推しに届けてください。それが運良く、推しの「宝物」になったら最高じゃないですか? 笑っても泣いてもあと一年、この一年はラストイヤーであると同時に、さくら学院開校10周年のアニバーサリーイヤーでもあります。せっかくだから、楽しい思い出をひとつでも多く作っていきましょう。